FACT アフリカとサステナビリティ
広大な自然、美しい野生動物たちの姿、地平線に沈む真っ赤な夕日。アフリカは、素晴らしい自然と生きものの宝庫です。
一方で、深刻な貧困問題や、人口増加と経済発展による自然破壊など、これからのアフリカの未来を左右する課題も数多くあります。
ここでは、サステナビリティの側面からアフリカやザンビアについてご紹介します。
貧困問題
持続可能な開発目標(SDGs)では、目標の第1番目に2030年までに「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」ことを掲げています。この目標において、今後最も取り組みを必要としている地域がアフリカです。
下図は、世界の貧困率を表した分布図です。特にアフリカに貧困層が集中していることが分かります。
サブサハラ・アフリカ地域では、貧困率が約40%*で、次に多い南アジア地域の約15%*を大きく上回っています。
なおザンビアは、貧困率が約60%*で、アフリカの中でも貧困層が多い国の一つです。
*世界銀行「世界の貧困に関するデータ2018」
貿易
アフリカの貧困問題解決に向けて、教育、職業訓練、基本的な資源やサービスの提供などが必要と言われますが、それらに加え、アフリカとの貿易をより活発にすることも求められます。
アフリカの人口は約12億人で、世界人口の約16%を占めています*1。一方、アフリカの貿易額は世界の約3%*2に留まっています。
*1:総務省統計局「世界の人口」(2015) *2:WTOデータベース(2011)
さらには貿易の品目についても、石油や鉱物資源が多数を占めており、より多様な産業による商品やサービスの参入が必要と考えられています。
アフリカにおいて、持続可能な産業を育て、世界貿易における取引を増やしていくことが、アフリカの貧困問題を改善し、サステナブルな発展を支える重要な鍵となっています。
SDGsの目標9「強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る」は、アフリカのこれからの経済・技術発展においても欠かせないものです。
生物多様性
私たちの暮らしや経済活動の基盤であり、水や空気の浄化から資源や食物の生産など様々なかたちで支えてくれている生態系、そしてそのエンジンである生物多様性。しかしある調査によると、世界の野生動物の数が1970年時と比べて約58%減少したとされています。またこのままいけば、2020年には1970年比で野生動物の数が67%減少する可能性も指摘されています*1。
*1:生きている地球レポート2016: 世界自然保護基金(WWF)、ロンドン動物学協会(ZNL)
生物多様性については、SDGsの目標14、15に掲げられていますが、その目標達成においても、アフリカは非常に重要な役割があります。アフリカが誇る素晴らしい生態系を守り、その価値を失うことなく活用しながら、人々の発展にも役立てていく。大きなチャレンジの舞台はアフリカにあります。
ザンビア・サウスルアングア国立公園では、1980年代に野生のサイが密猟によって絶滅しました。この反省から、密猟への取り締まり強化だけでなく、その背景にある貧困問題の改善や動物と人との衝突への取り組みなど幅広いアプローチが進んでいます。2000年始めには、南アフリカからサイを再導入し、少しずつその数は増えつつあります。サウスルアングア国立公園および周辺地域での様々な取り組みが評価され、2017年には、国連世界観光機関(UNWTO)から「世界初のサステナブル国立公園」として認められました。
弊社のザンビア視察ツアーでは、地球の宝物でもあるアフリカの素晴らしい生物多様性、野生の動植物の世界をお楽しみいただきつつ、これからのアフリカの発展、世界の持続可能性について考え、次のアクションにつながるプログラムをご提供します。