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なぜ今、ザンビア?|生物多様性とビジネスの接点を体感する7日間 | One Planet Café|ワンプラネットカフェ

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なぜ今、ザンビア?|生物多様性とビジネスの接点を体感する7日間

2026.02.25

「サステナビリティ」を、もっと自分の言葉で語れたらいいのに──そう感じたことはありませんか。

報告書やプレゼン資料には書ける。でも、いざ経営層への説明や社内研修の場になると、言葉がどこか”借り物”のままになる。知識は増えているのに、自分の意思決定につながる実感が育たない。すでにサステナビリティに取り組んでいる方ほど、そんな違和感を抱えているのかもしれません。

それは、ビジネスの現場に限った話ではないはずです。日々の暮らしのなかで「環境にいいことをしたい」と思いつつも、どこから手をつければいいか分からない。ニュースで見る森林火災や生物多様性の危機が、どこか遠い世界の出来事に感じてしまう。そんなもどかしさは、立場を問わず多くの人が抱えていることではないでしょうか。

この記事では、アフリカ・ザンビアのサウスルアングワ国立公園を舞台にした7日間の視察ツアーをご紹介します。弊社が2007年に現地拠点を立ち上げて以来、20年近くかけてザンビアの現場で培ってきた知見を凝縮したプログラムです。

サファリで野生動物と同じ空気を吸い、循環型ビジネスの現場に実際に行き、排出量など「数字の向こう側」にある構造を考える。データや理論ではなく、五感で得た体験から、自分の言葉が生まれる──そんな旅についてご紹介します。

遠い国の出来事ではなくなってきた環境の話

今、世界の森林をめぐる情勢は大きく変化しています。

生物多様性の修復(リジェネラティブ)という観点から、森林を守る重要性が高まっています。近年、世界各地で極端な森林火災の頻度と規模が増加しており、今後もそのリスクがさらに高まると予測されています(※1)。

これに加え、主要な木材産出国では環境保護や資源ナショナリズムを背景に、木材を含む産業用原材料の輸出制限を導入・強化する動きが広がっています(※2)。自然の変化はもはや環境問題にとどまらず、サプライチェーンや資材調達のリスクとして経営判断にも直結しはじめています。

林野庁の最新の木材需給表によると、日本の木材自給率は42.5%(2024年)(※3)。裏返せば、木材を含む多くの資源を海外の自然に一部依存して暮らしているということでもあります。世界の自然の変化は、日本のビジネスの前提も変える可能性もあります。

弊社がザンビアでの視察ツアーに込めているのは、まさにこの問いでもあります。グローバルな視点で世界の自然保護について理解すると同時に、自然共生の理解や技術力を持つ日本企業やビジネスパーソンとしての役割と可能性を、現場で考える。そのためでもある7日間なのです。

ザンビアツアーをリニューアル──テーマは「体感」

この度、ザンビアツアーをリニューアルしました。テーマは、「体感」です。

これまでの視察では、サステナビリティを学ぶ「学習視点」での企画でしたが、今回からは本来のサステナビリティの意味である豊かさを体感してもらうことを重視しています。

サステナビリティとは、何かを制限し、我慢することではありません。本来は私たちを経済的にも精神的にも、より豊かにしていくものであるはずです。

ザンビアでは、日本とは異なる環境のなかで、生物多様性やコミュニティのつながりが日常的に感じられます。生きものの多様さと、人の根源的なエネルギーが、当たり前の風景として息づいています。

私たち人類よりもはるかに長い歴史を持つ自然界のイノベーション。自然に寄り添う暮らしの中で育まれてきた人々の知恵。そこには、現代の私たちが模索しているサステナビリティのヒントがあふれています。

日常や情報、モノから離れて「豊かさ」とは何か、実際に体感しにいきませんか?

アフリカで始まっている、リジェネラティブな動き

アフリカ大陸は、ゾウやキリン、ライオンに象徴される生きものだけでなく、未来の気候や資源を左右する、地球の砦(とりで)でもあると考えています。

密猟や森林伐採、人口増加など複雑な要因が重なり、自然の変化が進むなかで、「どう守るか」と同時に「どう再生するか」が問われています。

「Real Africa(本物のアフリカ)」と呼ばれるザンビアでは、野生動物の保護、人と動物の衝突(コンフリクト)の改善、持続可能な発展に向けた事業など、エキサイティングな動きが始まっています。気候変動の影響を受けやすいからこそ、ザンビアではすでに環境保全にアプローチするビジネスが生まれているのです。

ザンビアとサステナビリティ

ザンビアは、野生動物の保護と持続可能な発展の両立に挑む国でもあります。

・2017年、国際持続可能観光年に合わせてUNWTO(現UN Tourism)の事務総長がサウスルアングワ国立公園を訪れ、「サステナブル・ワイルドライフ・パーク(Sustainable Wildlife Park)」として宣言したと、UN Tourismのプレスリリースが伝えている(※4)

・エシカルサファリを支えるガイド研修など、野生動物の保護と人との共生に力を入れている

・1964年の独立以降、内戦などの大規模な武力紛争を経験していない、比較的平和な国と評価されている(※5)

・一人あたり年間CO2排出量(土地利用変化など=LULUCFを除く)は0.5トン(2024年)。日本は7.8トン(同年)とされている(※6)

・世界銀行(WDPA/Protected Planetベース)の指標では、陸域保護区が総陸地面積の41.3%(2024年時点)を占めるとされている(※7)

壮大な自然を五感で体験する──エシカルサファリ

サウスルアングワ国立公園は、アフリカで最も生物多様性が豊かな国立公園のひとつです。約9,050km²(東京23区の約15倍)の広大な土地には、ここでしか見られない固有種のキリン「ソーニクロフト・キリン」をはじめ、ゾウ、ライオン、シマウマ、ヒョウ、カバなど60種以上の哺乳類と400種を超える鳥類が生息しています(※8)。

この場所で象徴的なのが、サファリの”距離感”です。

Zambia Tourismはサファリの注意点として、「車両は指定された道路を走る」「動物を追いかけて近づかない」「フラッシュ撮影を避ける」などを挙げています(※9)。何よりも野生動物が優先される──それは、私たちの生活が生態系の豊かさによって支えられているという絶対的な価値観に基づいています。

「近づかない」から始まる体験

これを単なる「ルール」として覚えて終わりにしない。ここから先が、このツアーの体験のポイントです。

「野生動物には近づかないこと。とても危険です(Keep away from wild animals – they are dangerous!)」──サウスルアングワのロッジには、こうした注意書きが置かれています。夜は動物たちの食事の時間。人間は外出を控える。ここでは、人間のほうが「お邪魔している側」になるのです。

「近づかない」は、制限ではなく、いちばんのリスペクト──そう捉え直すと、見えてくるものがあります。相手との適切な距離感、押しつけではない信頼の育て方。自然との距離の取り方は、人間関係やマネジメントの姿勢とも静かに響き合います。

サウスルアングワはウォーキングサファリ発祥の地でもあります。1950年代にイギリスの自然保護活動家ノーマン・カー(Norman Carr)氏によって始められたこのスタイルは、車に乗るのではなく、歩いて野生動物の世界に入っていくもの。

夜明け前のサファリカー。まだ暗い空の下、鳥のさえずり、遠くから響くライオンの声。太陽が昇り始めると、オレンジ色の光がサバンナを染め、動物たちが動き出す。柵のない環境でライオンやゾウと同じ空気を吸いながら歩くとき、「人間も生態系の一部である」という感覚が、理屈を超えて身体に刻まれます。

「守るべき対象」だと思っていた自然が、実は「自分たちを支えてくれている土台」だった。この視点の反転が、データだけでは語れない、自分自身の言葉を生み出すきっかけになるかもしれません。

Photo by Track & Trail River Camp

ビジネスが持つ力を、現場で実感する

ザンビアの視察ツアーで訪ねるのは、業種は違えど「ビジネスを通じて、人と環境を守る」という共通の思いで事業をしている企業や団体です。

ここで得られるのは、自分の現場で”次の一手”を選ぶための判断軸です。

「守る」と「稼ぐ」は対立しないのか? 雇用が生まれると、なぜ自然が残るのか? ビジネスの力で、どこまで自然を再生できるのか?

その問いを、現場で確かめにいく7日間です。

森を再生する──循環型ソーシャルビジネスの現場へ

エンフエ村には、さまざまな環境配慮型の仕組みを取り入れた私たちの「グリーン工場」──One Planet Paper® Factory(バナナペーパー工場)があります。太陽光発電や自然素材をいかした設計など、サーキュラーエコノミーを実装するフェアトレードの工場です。有機バナナの茎(通常、収穫後に廃棄される部分)から繊維を取り出し、日本の越前和紙の技術を活かして紙をつくる取り組みです。

この事業が生み出すのは、紙だけではありません。「森を守ること」と「暮らしを支えること」を同時に叶えようとする、ひとつのビジネスモデルです。雇用や収入の安定が、違法伐採や密猟の圧力を和らげ、生態系の回復に寄与している──そんな「リジェネラティブな循環」が、この現場で動き始めています。

バナナペーパー事業は、日本初のフェアトレード認証紙(WFTO認証)・クライメートポジティブ紙として、現在は欧州やアジアなど複数の国で販売されるまでに成長しました(※10)。

ツアーでは、このグリーン工場を訪れ、現地メンバーと肩を並べて紙を漉きます。異文化を超えるチームビルディングや現地流のマネジメントを体感。工場にあふれる誇りと熱気は、「足元にある価値を最大化する」ことこそが、未来を切り拓く可能性だと、気づかせてくれるかもしれません。

チームメンバーの声

工場で働くメンバーに「バナナペーパーの仕事についてどう感じていますか?」と聞くと、こんな答えが返ってきます。

「本当に誇りに思っています。たくさんのことをバナナペーパーの仕事を通して学ぶことができました」

「子どもを大学まで通わせることができました」

仕事に誇りを持ち、やりがいを持って働ける。バナナペーパーという1枚の紙が、人の生き方にも変化をもたらしています。バナナペーパーの仕事を通して、メンバーの150人以上の子どもたちが学校へ行くことができるようになりました(※11)。

余白に浸る贅沢な時間──アフリカンサンセット

陽が沈み、星が瞬きだすまでの、ほんの短い魔法の時間。

広大なルアングワ川で、水平線に落ちていく夕陽を浴びながら、旅で得た感情やアイデアを静かに整理する──日常から最も離れたこの場所で、地球のリズムと呼吸を合わせる、静かなるクライマックスです。

7日間のプログラム

モーニングサファリ、フルデイサファリ、バナナペーパー工場・農家訪問、ビレッジツアー、マインドフルネス アートサファリ、野生動物保護×ソーシャルビジネス ダイアログ、JICAザンビア事務所訪問、ワークショップなど、体感型のプログラムを7日間にわたって実施します。参加者特典として、アフリカの伝統布「チテンゲ」を使ったオーダーメイド服のプレゼントも。

各プログラムの詳細は、ツアー概要資料(PDF)をご覧ください。

こんな方に届けたいツアーです

たとえば、以下のようなお気持ちをお持ちの方に参考になるかもしれません。

・社内でサステナビリティを伝える立場だが、言葉に実感が伴っていないと感じる方

・生物多様性をTNFDなどの枠組みだけでなく、体感も含めて理解したい方

・「事例」ではなく「判断軸」を持ち帰りたいと考えている方

・経営層や社内への説明で、データだけでなく「なぜ大切なのか」を語りたい方

・今後の経営戦略のヒントを、現場で探したい方

・環境やサステナビリティに関心があり、自分の暮らしや活動と世界のつながりを実感したい方

・立場や肩書きに関係なく、「自分の目で見て、考えたい」と感じている方

※純粋な観光サファリを目的としておりません。

過去の参加者の声

これまで一般の方、会社員、企業経営者、自営業、行政・政策立案者、国際協力機関関係者、NPO職員、メディア、アーティスト、大学生など、さまざまな方にご参加いただいています。

「人生にとって最も大切な旅の一つになると思います。」

「このツアーで学んだことは持続可能な発展のモデルであるバナナペーパーのプロジェクトだけでなく、自然や人類にとって何が必要か、自分にとって何が本当に大事なのかを考えさせられます。」

「一生に一度でもいいので行くべきです。ザンビアに行って環境問題、自分に何ができるか?を常に考えるようになり人生が変わりました。」

「先進国に暮らしていては見えてこないこと、アフリカが抱える問題を自分の目で見て、肌で感じて…生きるということの原点に帰れたように思います。」

「ろうそくに火を灯し、井戸で水を 汲み、料理をするための薪を集める。そして、夜は満天の星を眺めて過ごす。私たちが宝物のように大切に感じている事柄がアフリカにはまだたくさんある。」

※これらの感想は個人の体験に基づくものであり、すべての参加者に同様の変化を保証するものではありません。

参考:過去の参加者アンケート・インタビュー

この旅で持ち帰ってほしいのは、「答え」ではなく「問いの立て方」

豊かな生物多様性は、私たちのいのちの根っこ。ザンビアの大地に立つと、小さなミツバチから大きなゾウまで、多様ないのちが一本の線でつながっていることを、身体で理解しはじめます。

「自社のサプライチェーンは、この循環とどうつながっているのか?」

「自分の仕事や暮らしは、森や海の未来と矛盾していないか?」

そんな問いを、自分の言葉で語れるようになること。それこそが、企業のサステナビリティ担当やリーダーにとっての、いちばんの収穫だと私たちは考えています。

野生の世界にたっぷり浸り、これからの世界を考える。そんな旅にぜひご参加ください。

– INFORMATION –

ツアー概要
日程:2026年4月19日(日)〜4月25日(土) 6泊7日
訪問地:ザンビア・エンフエ(サウスルアングワ国立公園)、ルサカ(首都)
集合・解散:現地集合・現地解散(ルサカ空港)
旅行費用:シングル利用 558,000円 / ツイン利用 468,000円(国際航空券別途)
言語:英語と日本語通訳あり
定員:10名
申込締切:2026年3月6日(金)*延長しました。

7日間のスケジュール、費用の内訳、宿泊施設、旅行条件などの詳細は、以下のツアー概要資料をご覧ください。

ツアー概要資料(PDF)をダウンロード

お申し込み

お申し込みフォームはこちら

お申し込み締め切りは2026年3月6日(金)です。締切日当日まで、料金は一切かかりません。

本プログラムは現地集合・解散です。ザンビア国内の航空券・宿泊の手配はさっぽろトラベル(北海道知事登録旅行業第2種769号)が行います。海外航空券・海外旅行保険の手配も承ります。

お問合せ窓口

【旅行手配】
さっぽろトラベル 担当:森本恵美
TEL:011-858-9501
e-mail: morimoto@manzokutabi.jp

【視察プログラム企画・運営】
株式会社ワンプラネット・カフェ 担当:永江早紀
TEL:03-5776-6228
e-mail: hello@oneplanetcafe.com

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【脚注】

※1 森林火災の頻度・規模の増加について UNEP/GRIDの報告では、極端な野火が2100年までに最大50%増加すると予測。

出典:UNEP「Number of wildfires to rise by 50% by 2100」

※2 木材輸出規制について OECDの調査によれば、産業用原材料(木材を含む)への輸出制限措置は、環境規制の強化に伴い近年増加傾向にある。

出典:OECD「Export Restrictions on Industrial Raw Materials」

※3 日本の木材自給率について 林野庁の木材需給表によると、2024年の木材自給率は42.5%。

出典:林野庁「令和6年(2024年)木材需給表」

※4 UNWTOによる「サステナブル・ワイルドライフ・パーク」宣言について 2017年、国際持続可能観光年(IY2017)に合わせ、当時のUNWTO事務総長タレブ・リファイ氏がサウスルアングワ国立公園を訪問し「サステナブル・ワイルドライフ・パーク(Sustainable Wildlife Park)」として宣言したとプレスリリースが伝えている。

出典:UN Tourism プレスリリース

※5 ザンビアの平和について 1964年の独立以降、内戦などの大規模な武力紛争を経験していない。

出典:外務省ホームページ(ザンビア基礎データ)

※6 CO2排出量データ EDGAR v8.0(JRC/IEA)ベースの「一人あたりLULUCFを除くCO2排出量」指標(2024年)。ザンビア0.5トン/人、日本7.8トン/人。

出典:世界銀行「EN.GHG.CO2.PC.CE.AR5」(EDGAR Community GHGデータベース)

※7 保護区面積について 世界銀行の「陸地保護区(総陸地面積の割合)」指標で、ザンビアは41.3%(2024年時点)。

出典:世界銀行「Terrestrial protected areas (% of total land area)」

※8 サウスルアングワ国立公園の生態系データ 60種以上の動物と400種を超える鳥類が生息。固有種のソーニクロフト・キリン(Luangwa giraffe)はルアングワ渓谷にのみ生息。

出典:Zambia Tourism – South Luangwa National Park

※9 サファリのガイドラインについて Zambia Tourismが推奨するサファリの注意点。

出典:Zambia Tourism「How to have an ethical safari」

※10 WFTO認証取得について 2016年、弊社のバナナペーパーは日本国内の紙製品において初めてWFTO(世界フェアトレード連盟)の認証を取得。

出典:One Planet Café公式サイト「WFTO フェアトレード認証」

※11 バナナペーパー事業による教育支援について バナナペーパーの仕事を通して、メンバーの150人以上の子どもたちが学校へ通えるようになったと紹介されている。

出典:One Planet Café「EDUCATION 学ぶということ」