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COP16の結果と生物多様性計画(The Biodiversity Plan)

2024.11.14

南米コロンビアで開かれたCOP16が終了しました(2024/10/21 ~ 11/1開催)。良い結果は少なかったと言われていますが、それは「生物多様性」の難しさを表しているように感じています。

弊社は17年前、生物多様性が豊かな地域で活動を始めました。野生動物と人間の共存を目指している、アフリカ・ザンビアのルアングワ地域です。

生物多様性を分かりやすく説明すると、「全ての生きものがお互い依存し存在すること」と言えます。忘れてはいけないのは、人間も生物多様性の一部であるということです。

COP16では、地球上の生物多様性の急速な減少が発表されました。この50年で野生動物の数がなんと73%も減少したのです*1

同時に世界中には良い事例も生まれていて、野生動物や生きものの数が増えている場所もあります。弊社のバナナペーパープロジェクトを行っているルアングワ地域では、様々な野生動物が生息する国立公園があります。2017年にはなんと「世界初のサステナブルな国立公園」に選ばれました*2。野生動物と人間の共生にむけた様々な取り組みが評価されています。

また弊社のサステナビリティ視察ツアーでよく訪問するマルメ市では、自然や生物多様性の再生のために、街の開発において「グリーンポイント制度」を導入しました。これは開発に携わる建設関連企業に課される条件です。花粉や種を運ぶ虫や鳥を守るために、木や野原などのタイニーフォレスト(サッカーグラウンド4分の1ぐらいの小さな森)を導入するなどの取り組みにポイントが付与される仕組みで、一定のポイント数を導入しなければなりません。

このような取り組みにより、欧州初のカーボンニュートラル地区ウェスタンハーバーでは、街の中に野生うさぎやキツネなどが生息し、絶滅危惧種であるウナギも見るようになりました。

COP16では、ポジティブなニュースもありました。

その一つは、少数民族(先住民族)が生物多様性に関する交渉における重要なパートナーとして初めて認識されたことです!

実はこれは非常に重要な前進です。

これまでの国際会議でもこの大切な存在が強調されてきたにもかかわらず、世界の政策立案者たちは、彼らの声を無視し続けてきました。

知っていますか?先住民族は世界の人口のわずか約5%にもかかわらず、地球上の生物多様性の約80%と共存し、それを守っているのです。

ポジティブなニュースはもう一つあります。

「生物多様性に関するコミュニケーション言語」の誕生です。つまり、「生物多様性のSDGs」が生まれました。

これまで、私たちは友人や会社で生物多様性について話すとき、さらには政治家が重要な決定を下す必要があるときでさえ、コミュニケーションのための共通の言葉を見つけることに苦労してきました。

しかし、私たちのパートナーの一人でもあるSDGsのロゴデザイナーであるJakob Trollbäck(ヤーコブ・トロールベック)氏が、生物多様性のための23ターゲットのデザインを発表しました。

昆明・モントリオール生物多様性枠組という名前は、『The Biodiversity Plan(生物多様性計画)』と名付けられ、23ターゲットにもそれぞれにカラフルなロゴと色、そしてスローガンがつけられました。

おそらくこの数年で社会に普及されるであろう、この生物多様性の辞書をどんどん活用し、生物多様性に関する会話とアクションを広げていきましょう。

出典:

*1 生きている地球レポート2024(世界自然保護基金)

*2 国連世界観光機関(UN Tourism)による

生物多様性のリアルを体験するザンビア視察ツアーについてはこちら

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