脱炭素社会の実現に向けて
2023.11.28
「脱炭素社会は可能か」
そういった質問を受けることがあります。
まるで、未来に他の選択肢があるかのように。
先日、内閣府が行った世論調査で、「脱炭素社会」という言葉の認知度が8割を超えたとの発表がありました。
周りを見渡した肌感覚としては少々高すぎる結果のような気もしますが、確かにメディアでもよく目や耳にするようになったので、間違いなく言葉の認知は広がっているのでしょう。
認知度よりもこの調査結果で気になったのが、「脱炭素社会の実現にむけて日常生活の中で取り組んでいること」についての回答でした。
上位5項目は次の通りです。
残念なことに、30年前の「エコ」な取り組みからほぼアップデートされていないと言えます。
日常生活の中で、一人ひとりがコツコツと、できることから始めることはとても大切なことです。しかし、「脱炭素社会の実現」という壮大かつ必達目標を目の前にする時、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんが訴える「システムチェンジ」の重要性を実感します。
ここで言うシステムチェンジとは、社会に実装されている段階ですでにサステナブルな配慮が行われていることです。
例えば、こまめな消灯などで行う電気消費量の削減も、そもそもの電気が再生可能エネルギーであること。しっかりとした断熱や二重窓など、建物自体が大幅な省エネ設計となっていて、夏も冬も少しの冷暖房で快適に過ごせること。自転車専用道路の整備や、公共交通機関のスマート設計によって、多様でサステナブルな移動手段が選べること、などです。
日本の「脱炭素社会」の取り組みが、「エコ」で想起されることが多かった「我慢」「削減」「コツコツ」の枠にとどまることはできません。
世界では、脱炭素、サステナビリティが未来の大切なキーワードとして捉えられ、エキサイティングなビジネスや新しいライフスタイルが次々と生まれています。
この流れは世界をリードする欧州の国々だけでなく、石油産出国である中東の国々でも起きています。
以下は、ポスト石油時代を見据え取り組みを加速させていると言われるドバイからの写真です。
人口360万人のドバイでは、現在、電力の約17%をソーラーでまかなっており、2030年までには25~30%を目指しています。