オフィスから森を育てる
2024.02.27
世界で取引されている工業用木材の33-40%が紙パルプ産業で使われている*1、という調査報告があります。私たちの暮らしの中で身近なコピー用紙や雑誌、カタログ、ティッシュペーパー、紙包装パッケージなどの原料として使用されています。
また、気候変動対策として脱プラの動きが世界的に広がる中、紙資源の役割はさらに高まっています。
一方、「2030年までに、人と地球のために自然の損失を止め、その状況を反転させ、自然を回復の道筋にのせる」というネイチャー・ポジティブの目標を達成するためにも、森を守る、育てるということが求められています。
森を守りつつ、紙が提供してくれる利便性や安全性、そして文化を受け継いでいくためにも、持続可能な紙の生産と消費という課題に向き合う必要があります。
この課題をサステナビリティの原理原則に当てはめて考えると、次のような取り組みができます。
取り組み一例
◾️テクニカル・サイクル
Reduce 無駄を減らす:
・プリンタは両面印刷を初期設定にする
・ペーパーレス、デジタル化を進める
・過剰包装をやめる
Reuse 再利用:
・裏紙を有効活用する
・紙袋などの包装を再利用する
Recycle リサイクル:
・使用後は分別してリサイクルへ
◾️バイオサイクル
Return 自然にかえす:
・生産や使用において化学物質の使用をなくす、抑える
Recover 自然再生
・生物多様性に配慮し、再生スピードが速い原料を選ぶ
私たちが手がけるバナナペーパーでは、日本の和紙技術を活かし、化学物質の使用が少ない紙づくりを行なっています。
また、ザンビアで地域の人たちと共に森を守ることで炭素を固定化する活動に参画し、カーボンオフセット(一部はクライメートポジティブ)を行なっています。
今後、2030年のネイチャー・ポジティブにむけて、さらに取り組みを進化させていきます。
世界最大の産業の一つである紙パルプ産業は、私たちの暮らしにも密着しており、メーカーとしても、消費者としても、世界の森に大きな影響を与えています。
この影響力をプラスにするか、マイナスにするかは、私たちの選択次第。オフィスや日常生活の中でやれることも数多くあります。
オフィスや暮らしの中から、森を育てていきましょう。
出典:
*1 報告書 Deforestation Fronts(21年 WWF)