SDGsケーキから学ぶ、コロナとサステナビリティ
2020.04.28
サステナビリティは、「環境・健康・経済」のバランスを取りながら発展していくこと。そのバランスを考える際に参考になるのが、このSDGs(ウェディング)ケーキです。
世界的に有名な環境科学者・ヨハン・ロックストローム氏(スウェーデン出身)が提唱しています。
SDGsケーキでは、すべての基盤として「環境」があり、その上に「社会」、そして「経済」が積み上がっています。
命の条件 = 環境循環
安定な環境があるから → 健全な社会ができる → だから、豊かな経済が実現できる、というものです。
これを実証するような出来事が、ここわずか10年程度で起こってきました。
まず2008年に起きたリーマンショック。
これは経済の領域で起きたもので、ご存じの通り、アメリカのいち金融機関の破綻が世界の金融危機を招きました。
そして2020年、新型コロナウイルスが世界中の人々の日常と経済に大きな打撃を与えています。
これは、社会(健康)の領域で起きていることですが、一つの感染症が私たちの生活にこれだけ大きな影響を及ぼすなど、誰が想像したでしょう。
そして次に、懸念されているのが環境領域の崩壊。
気候変動により、これまでの気候パターンが崩れてしまうと、スーパー台風、大干ばつ、広域の熱波などが次々と発生します。生態系が失われ、農業、漁業への打撃、家や建物の崩壊、インフラの機能不全、感染症の蔓延などが世界中で起こるとされています。環境の崩壊によって、社会や経済を支えるものがなくなり、成り立たなくなってしまうのです。ドミノ倒しが始まります。
一方、今回のコロナの影響で改善したとされるのが、環境です。
経済活動、社会活動がスローダウンしたため、大都市の大気や河川がきれいになったり、野生動物の活動が活発になった事例が世界各地から報告されています。
自然に背くのではなく、自然と共に発展することが必要です。
日常生活や、ビジネス、政策に自然や生きものの視点を取り入れること。
そしてSDGsケーキの中心に目標17!このすべての領域での取り組みをグローバルパートナーシップで進める必要があるとされています。
コロナの1日も早い終息を願いつつ、コロナ明けのより強い経済と社会のあり方を、その基盤である環境から再考し、環境循環に基づくサステナブルな発展にむけた行動に移していきましょう。
※図: 環境科学者・ヨハン・ロックストローム氏が提唱するSDGsケーキ
– 執筆 エクベリ聡子(代表取締役) プロフィールにリンク