サステナブル認証ラベルがつくる、生産者と消費者のかけ橋
2019.12.05
スーパーで買い物をする時、私たちが一つの商品を選ぶのにかける時間はどれくらいだと思いますか?
欧米での複数の調査によると、その時間は約2~3秒だそうです。
持続可能な開発目標(SDGs)の目標12は、「つくる責任、つかう責任」。
生産者として環境、人、社会に配慮した商品・サービスを提供する責任と、消費者としてそういった商品・サービスを選ぶ責任についてです。
つくる側とつかう(選ぶ)側をつなぐ有効な手段の一つに、サステナブル認証ラベル(以下、ラベル)があります。
ラベルの利点として、主に次のものがあります。
・第三者による基準と監査に基づくため、中立性、公平性が確保される
・消費者にとって、環境・社会配慮した商品やサービスであることが一目で分かる(2~3秒でもスグ見つけられる!)
・生産者にとって、環境や社会課題について配慮すべき項目、社会から求められていることが分かりやすい
日本で目にするラベルには、エコマーク(環境配慮型の文具など)、JAS(有機食品)、FSC(持続可能な木材・木材製品)、MSC(持続可能な漁業による水産物)、フェアトレードラベルなどがあり、徐々に増えてきていますが、残念ながらまだ全般的に商品数が少なく、認知度が高いとは言えません。
日本で、文具などに多く見られるエコマーク
SDGs取り組み評価*で世界1位のスウェーデンでは、ラベルの認知度は平均90%以上。様々なラベルが普及しており、持続可能な生産と消費を大きく後押ししています。
スウェーデンで使われている代表的なサステナブル認証ラベル(一例)
スウェーデンでは、ほぼ全ての商品群の中に、必ず一つは認証ラベルつきのものを見つけることができるほど浸透してきています。
コーヒーやチョコレートといった食品から、洗剤、トイレットペーパーなど日用品、さらには、電力、衣服、電車、ホテル、学校など幅広い商品やサービスでラベルつきのものを見つけることができます。
またそういった商品・サービスを選ぶ消費者が増えているため、商品パッケージの前面にラベルを大きく表示したり、複数の認証を受けるなど、生産者側のブランディングツールとしても活用されています。
持続可能な生産と消費でもう一つ重要なのが、流通、お店の役割です。
スウェーデンでは、一般のスーパーやコンビニでもラベルつき商品を数多く見つけることができます。また店舗でのPOPなどを使い消費者教育に力を入れるところも増えています。
「消費者が求めないから売れない」ということでなく、消費者の最も目につきやすい棚の位置にラベルつき商品を陳列したり、一目で分かるステッカーを貼ったり、と環境・社会配慮型商品を選んでもらうための工夫と努力も惜しみません。サステナビリティの実現にむけては、企業も教育者なのです。
サステナブル認証ラベル商品がある場所には、緑の飛び出すサインが!
つくる立場、売る立場、つかう立場、のそれぞれが役割と責任を持ちながら、パートナーとしてサステナブルな社会づくりに関わる。サステナブル認証ラベルは、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」を実現するための大切なツールです。
– 執筆 エクベリ聡子(代表取締役) >> プロフィールにリンク